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  • suwafes

お便りが届きました。 セミナー・ワークショップの参加者の方から。 確認をとり、こちらで共有をさせていただきます。


ラディカルスピリチュアリズム、見逃した配信もありましたが、参加させていただく中でたくさんの気づきや学びがありました。素晴らしい学びの機会を、誠にありがとうございました。

蚕糸業の工女さんの話は私自身も作品制作のリサーチをしていて、特に興味深く拝聴しました。少々長くなってしまうのですが、レクチャーを聞きながら考えたことなどをメモしたので、僭越ながら共有させていただきたいと思いました。お時間のあるときにお読みいただけると幸いです。


私はここ最近、現代まで続く家父長制的資本制社会における性別役割の「始まり」について考察するために、女性と繊維業の関係について調べています。「手芸」は、労働力不足時には(近代産業の勃興期)生産労働と認められながらも、近代国家が国民を統御し始めて以降は、良妻賢母を象徴する無償の再生産労働とされました。社会(男性達)の捉え方によって、生産・再生産労働の間を行き来する、流動的な「手芸」の社会的在り方に興味がありました。

ケイトさんの作品のように、美術的な価値が認められづらかった手芸の歴史を踏まえて、編み物でフェミニズムのプロテストから引用する手法は力強くメッセージが伝わってきて、とても興味深く拝見しました。またワークショップでは、手を動かすという経験を共有しながらも、様々な場所から集うことのできるデジタル空間で、初めて出会うもの同士が女性の経験という親密な会話を行ったということも、とても面白い体験でした。かつて工女さん達が共に歌を歌ったり、スコットランドではハイランド地方のwaulking songという毛織物を叩く作業をしながら歌う習慣がありましたが、女性が集い、声を交換し合うような共同空間はエンパワメントであったと思います。ケイトさんのワークショップでも、そのような体験に近いものがあったと感じました。参加しながら、60年代のフェミニスト達のconsciousness rising 運動のことを思い出して、集い、日常からの声を聞くことの可能性を感じました。さまざまな年代のフェミニストの方々とお話出来る機会も普段ほとんどないので、とても刺激になりました。


また繊維業は、女性の権利のために声を上げた最初の運動に深く関わっている点に関心があります。嶋田さんがレクチャーでも指摘されていたように、工女さんたちが労働環境改善を求めたストライキを行ったり、(低賃金であっても)女性の賃金労働が可能になったことで自立や個人の権利への自覚を促す契機となったりと、女性の権利という視点ではポジティブなことも多くあったことは、とても興味深いです。糸引き歌には赤裸々で正直な女性たちの生の声が歌われていて、女性達の解放や自由を求めるエネルギーが伝わってきます。

女性の政治参加のためには「母」としての役割が求められてきた明治以降の流れを考えると、これらの工女さん達の声は、歴史の中でもなんだか特殊なものなのではと思い始めました。それは母性を代表する受け身、献身、自己犠牲という女性役割イメージとは少し異なる、自らの意思で声を上げる姿です。


最後に、手作業のスピリチュアリティーについてのお話もレクチャーで伺ってから、私もその後色々と考え巡らせていました。「手芸」は女性らしさ、「婦徳」の精神を教育する方法として活用されていたことを考えると、その精神性が政治的目的によって利用されていたことも挙げられます。またそれは、現在まで残っているという話も聞きます。(友人の通っていた私立女子校は毎朝針仕事を10分程度行い、精神統一をしていたと聞きました。おそらく今もその伝統は残っているとのことです。)

しかしレクチャーにもあったように、蚕の女神信仰という起源まで遡ったり、実際の手仕事を行う時の実感や技巧の奥深さを通して考えてみるとき、そこには女性精神の「矯正」というような国家規模で推奨された女性役割を超えた、女性の手仕事の深いスピリチュアリティがあるのではないか、と思います。そして、おそらくそれらについて女性主体で語られることはほとんどなかったのでは、と想像します。

それはおそらく、実際に手仕事をしている方々の声を聞くことや、工女さん達の生の声、労働歌など、歴史に記述されない声から見えてくるのでは、と思いました。


以上です。

とりとめもなく、思ったことをまとめずに送ってしまい、読みづらくて申し訳ないです。


ラディカル・スピリチュアリズムの皆様の、今後のご活動も応援しております。


それでは、今後ともどうぞよろしくお願いします。

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